2018
Aug
20
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自伝小説的・・女装者を自覚した(4)
バイトでお金も少しずつ出来て、２０歳（大学生）で東京亀戸『女装の館 エリザベス』に行きます。ネットがない時代、情報は三流週刊誌の小さな本誌広告です。掲載していた、お店の場所と「貴方から貴女へ 変身しませんか？」の広告が高校生時代からわたしのアタマから消えることはありませんでした。大学は名古屋ですから、冬休みに亀戸に行ったんだと思います。エリザベスを知って実際にお店に通うまで、数回通信販売で下着、ブラ＆ショーツ、スリップ、ガードルを密かに購入して、名古屋鶴舞区の下宿アパートで毎回ドキドキしながら、幸せに身に着けてました。ただ、ここは学生の女装マニアには商品が高いのです。若い方では続けられるものではありません。友人との付き合いを遮 断してお 金をひたすら貯めるしかありませんでした。商品カタログがあるのです。お金がないから、その下着モデルを見ながら相変わらずオナニーをしておりました。女装用下着として売るのだから、モデルを女装者にすればいいのに・・と思っていたことを思いだします。エリザベスは今でも浅草橋にありますが、女装初心者の入門として広く有名なことを後日、知ります。
初めての亀戸、、東武線の裏手の４階建てビルだったと思います。黄色い看板で『エリザベス』とありました。自意識過剰のワタシ。誰も気にしていないのにドアを開けるまで行ったり来たりです。３０分後くらいに意を決して中に入ります。すぐ階段で２階が受付、女装衣料品売り場、会員用のロッカーになってました。受付を終えると３階に上がるシステムです。そこは女装サロンで交流の場です。他はお化粧台と写真撮影のスペースです。お化粧は女性スタッフ（話してみるとビアンだそうで純男には興味ないとのこと）でした。いよいよ初めてのお化粧です。
髭を剃っていきましたけど、今から考えると恥ずかしいです。鼻の下は、ファンデーションを塗っても青く残ってしまうのです。髭隠し（舞台用のドーランだと思います）やらを使って始めました。
お化粧の順番はご存知かもしれませんが、化粧水・乳液で肌を整える→指でリキッドファンデーションを塗る。髭などクスミはコンシーラーで潰す→パウダーファンデーションで皺・毛穴を隠す→アイライナー、付け睫毛、マスカラ・・・そしてアイシャドー→男性的な眉をドーランやコンシーラーで潰して細くペンシルで書き直します。細い眉がオンナっぽくなる基本だと思います。
唇はエッチっぽくルージュなどを厚く塗ってグロスでシットリさせます。そして顔を小さくみせるようにピンクのチークを塗ります。ここまで１時間近くかかります。最後はウイッグです。
この瞬間が一番楽しい！劇的に変わるからです。今日は誰？みたいなです。
私の場合、何度やっても女優で言えば、知ってますか？『秋野暢子』なのです。そして一般人では・・・・若い時の『西尾千春』です。これは今も変わりません。３歳年上の姉の若い頃です。
エリザベス時代も、そして今、セフレの美容師出身の純女（お金でつながった女装時のパートナー）にしてもらうお化粧でも、『姉』になります。姉の旦那があきこブログをみたら少し焦るけど、もう年だし大丈夫でしょう。考え過ぎですね。
女装サロンでは可愛いと周りから持ち上げられ悦んでいました。写真撮影では、女性スタッフが「あなたは女優よ！」と声をかけながらフラッシュを焚くのです。パンティの中がぬるぬるになるのが分かります。ある時、女装の方（実際は７０歳近い女装趣味の会社社長さん）に下着を見せたら、眼の色を急に変えて、チンポを見せろというのです。裏がホテル街で、行こうというのです。穏やかな年配女装者が、私の姿を見て欲情したのです。とても幸せだったけど、怖くてお断りしました。このころのエリザベスは外出禁止です。
